◆azwd/t2EpEによる雑記です。 自由気ままに書いてみます。
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 重みが増したように感じる財布を大事に抱えながら、大阪の街を歩いた。
 ここはどのへんなんだろう……まずは現在地を把握しなきゃ。

ξ゚⊿゚)ξ(……それよりも、先に……)

 鞄からピンクの折りたたみ携帯を取り出す。
 開いて、アドレス帳から名前を探した。
 『あの子』の名前だ。

ξ゚⊿゚)ξ(あった)

 少し、発信するのを躊躇った。
 緊張で親指が微かに震えている……なんか、まるで青春時代みたいだなぁ、なんて。
 他人ごとのように思う余裕も、ないのだけれど……。

 こじゃれたレストランの壁に背を預けて、中央のボタンを押した。
 ゆっくり携帯を耳に当てて、コール音を受ける。
 騒々しい街の中でも、はっきりと聞こえる。

 あの子の、声も。

『もしもしですお』

ξ゚⊿゚)ξ「あ……こんばんは」

『こんばんはですお』

 相変わらず、天使の羽がついてるみたいな優しい声。
 疲労に満ちた私の体を、癒してくれる。

ξ゚⊿゚)ξ「突然ゴメンね」

『どうしたんですお?』

ξ゚⊿゚)ξ「あのね……ちょっと今、依頼があって大阪に来てるの」

『大阪? 奇遇ですお、僕も大阪に居ますお』

ξ゚⊿゚)ξ「うん……それでね、今どこにいるのかなー……って」

 うわ、声震えてる……恥ずかしい……。
 年上の先輩相手に喋ってるみたいな気分……相手は年下なのに……。

『えーっと、今は難波に居ますお。ツンさんは、どちらに?』

ξ゚⊿゚)ξ「あ……ちょっと分かんないけど、でもそんなに遠くないかな……」

『依頼はもう終わったんですかお?』

ξ゚⊿゚)ξ「今日のぶんは、だけどね」

『そうなんですかお~』

ξ゚⊿゚)ξ「う、うん……」

 やばっ、会話が続かない。
 見据えてるものは、ただ一つなのに。

 会いたい、って言うだけでいいのに。

『ツンさんはもう晩御飯食べましたお?』

ξ゚⊿゚)ξ「え? まだだけど……」

『僕もなんですお。なに食べようか迷ってますお』

ξ゚⊿゚)ξ「あ……」

 いい流れだ。
 一緒にご飯食べようか、って言える。

 大丈夫、言える。

『ツンさん、良かったら一緒に食べませんかお?』

ξ゚⊿゚)ξ「あっ……」

 言おう、と意を決したときに、先を越されちゃった。
 でも嬉しい。すごく、嬉しい。

 あとは、『うん』って言うだけだ。
 気持ちが随分、楽になった。

 ――――そう、思ったとき。

 後ろ腰に、丸いものが押し当てられる。
 いや、違う。丸くない。長方形。
 すごく、固い。

 そして、冷たい。
 スーツ越しでもはっきりと、鉄の冷たさが伝わってくる。

(メ± ±)「適当に理由つけて、電話切れ」

(メ± ±)「今すぐや」

 顔は、見えない。
 何が押し当てられてるのかも。
 だけど、分かる。

 私――――危険なことに巻き込まれかけてる、ってことだけは。


その22へ




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 重みが増したように感じる財布を大事に抱えながら、大阪の街を歩いた。
 ここはどのへんなんだろう……まずは現在地を把握しなきゃ。

ξ゚⊿゚)ξ(……それよりも、先に……)

 鞄からピンクの折りたたみ携帯を取り出す。
 開いて、アドレス帳から名前を探した。
 『あの子』の名前だ。

ξ゚⊿゚)ξ(あった)

 少し、発信するのを躊躇った。
 緊張で親指が微かに震えている……なんか、まるで青春時代みたいだなぁ、なんて。
 他人ごとのように思う余裕も、ないのだけれど……。

 こじゃれたレストランの壁に背を預けて、中央のボタンを押した。
 ゆっくり携帯を耳に当てて、コール音を受ける。
 騒々しい街の中でも、はっきりと聞こえる。

 あの子の、声も。

『もしもしですお』

ξ゚⊿゚)ξ「あ……こんばんは」

『こんばんはですお』

 相変わらず、天使の羽がついてるみたいな優しい声。
 疲労に満ちた私の体を、癒してくれる。

ξ゚⊿゚)ξ「突然ゴメンね」

『どうしたんですお?』

ξ゚⊿゚)ξ「あのね……ちょっと今、依頼があって大阪に来てるの」

『大阪? 奇遇ですお、僕も大阪に居ますお』

ξ゚⊿゚)ξ「うん……それでね、今どこにいるのかなー……って」

 うわ、声震えてる……恥ずかしい……。
 年上の先輩相手に喋ってるみたいな気分……相手は年下なのに……。

『えーっと、今は難波に居ますお。ツンさんは、どちらに?』

ξ゚⊿゚)ξ「あ……ちょっと分かんないけど、でもそんなに遠くないかな……」

『依頼はもう終わったんですかお?』

ξ゚⊿゚)ξ「今日のぶんは、だけどね」

『そうなんですかお~』

ξ゚⊿゚)ξ「う、うん……」

 やばっ、会話が続かない。
 見据えてるものは、ただ一つなのに。

 会いたい、って言うだけでいいのに。

『ツンさんはもう晩御飯食べましたお?』

ξ゚⊿゚)ξ「え? まだだけど……」

『僕もなんですお。なに食べようか迷ってますお』

ξ゚⊿゚)ξ「あ……」

 いい流れだ。
 一緒にご飯食べようか、って言える。

 大丈夫、言える。

『ツンさん、良かったら一緒に食べませんかお?』

ξ゚⊿゚)ξ「あっ……」

 言おう、と意を決したときに、先を越されちゃった。
 でも嬉しい。すごく、嬉しい。

 あとは、『うん』って言うだけだ。
 気持ちが随分、楽になった。

 ――――そう、思ったとき。

 後ろ腰に、丸いものが押し当てられる。
 いや、違う。丸くない。長方形。
 すごく、固い。

 そして、冷たい。
 スーツ越しでもはっきりと、鉄の冷たさが伝わってくる。

(メ± ±)「適当に理由つけて、電話切れ」

(メ± ±)「今すぐや」

 顔は、見えない。
 何が押し当てられてるのかも。
 だけど、分かる。

 私――――危険なことに巻き込まれかけてる、ってことだけは。


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【2008/05/03 22:17】 | 何でも屋
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名無しさん
山場ktkr


名無しさん
おぉ・・・緊張してきた


名無しさん
ごくり…

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コメント
この記事へのコメント
山場ktkr
2008/05/03(Sat) 22:22 | URL  | 名無しさん #-[ 編集]
おぉ・・・緊張してきた
2008/05/03(Sat) 22:40 | URL  | 名無しさん #-[ 編集]
ごくり…
2008/05/03(Sat) 23:26 | URL  | 名無しさん #o5ge5yPw[ 編集]
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