◆azwd/t2EpEによる雑記です。 自由気ままに書いてみます。
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/ ,' 3「さぁ、出ようか」

ξ゚⊿゚)ξ「はい」

 自宅から出てきて、弱々しく歩いていたときの面影は欠片もない。
 背筋を伸ばし、堂々とカウンターに行き、アメリカン・エキスプレスのセンチュリオン・カードを差し出した。
 通称、ブラックカード。実際見たのは初めてだけど、とっても怪しげな装丁……。

 でも、ブラックカードって凄く審査厳しいんじゃなかったっけ……?
 どうにかして審査を通り抜けたのかなぁ……それぐらいの権力があっても、おかしくはなさそうだけど……。
 あ、名義人の欄を見とけば良かったかも……。

 そんなどうでもいいことを考えている間に、清算は滞りなく終わっていた。

ξ゚⊿゚)ξ「朝、自宅から出てらしたときは、元気がなさそうに見えたのですけど」

/ ,' 3「ん?」

ξ゚⊿゚)ξ「元気がないフリだったんですね、あれも」

 カードをお財布に収めた荒巻組長は、私の言葉を受けて、何故かまた顔色を暗くした。
 あれ……私、なにかマズイこと言っちゃったのかな……?

/ ,' 3「……そこだけは、嘘じゃないんじゃよ」

ξ゚⊿゚)ξ「えっ……」

/ ,' 3「外で待っとる、あの二人ことじゃ」

 ギコさんとフサギコさんが直立不動で、こっちを見ている。
 さっき荒巻組長に一喝されたときの緊張が、まだ抜けてないみたいだった。

/ ,' 3「あの二人はいずれ組の中核となる存在じゃ。行動力があるし、頭も回る。
   でも、今ひとつ頼りにならんのじゃよ。あいつらが独り立ちしてくれれば、ワシは隠居できるんじゃが」

ξ゚⊿゚)ξ「思ったように成長してくれないのが、もどかしいということですか……?」

/ ,' 3「そのとおりじゃ。ツンさんは理解が早くて助かるのう。
   今回のワシの意図にも、あいつらには気付いてほしかったんじゃが……サッパリじゃったな」

 残念そうに目を伏せる荒巻組長。

 外の二人と、荒巻組長を、交互に見やった。
 そして、唇を開く。

 いつもの私なら、こんなとき、『そうですか……』の一言で済ませるけど――――

ξ゚⊿゚)ξ「――――でも、二人は二人で、凄く頑張ってましたよ?」

/ ,' 3「……ほう?」

ξ゚⊿゚)ξ「荒巻さんのこと、凄く心配してましたし……だから、女である私に依頼したんだと思いますし……。
     荒巻さんの意図に気づけなかったのは、もしかしたら、荒巻さんを心配してたからなのかな、って……。
     見抜けなかったのは確かですけど……でも、それはやっぱり、荒巻さんを思うが故かなぁと……」

 荒巻組長から、私の言葉に対する返しはなかった。
 表情さえ、無色に染まっていて……。

 でも何故か、さっきまでより目尻が垂れ下がっている気がした。

 二人で外に出たあとは、ホテルへと向かった。
 もちろん後ろには怖い方々がゾロゾロと……。
 私たちの真後ろには、ギコさんとフサギコさんが離れずにピタリとついてきていた。

/ ,' 3「ま、ワシがついた嘘については全て話した。他に何か得た情報があれば、それは真実じゃよ」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、女の運転じゃないとクルマに乗らないというのも……?」

/ ,' 3「男の運転はキライじゃよ。最近までは、組に近しい女の運転で我慢しとったがのう。
    それも乱雑な運転に思えて嫌気が差しておった」

/ ,' 3「ツンさんの運転は良かったぞい。クラウンを振り切る姿も凛々しかったしのう」

ξ゚⊿゚)ξ「あのときは、無我夢中で……なんか、スイッチが入っちゃって……」

/ ,' 3「ともかく、ツンさんが来てくれて良かった。あいつらの目も悪くないのう」

 少しはぐらかされた気もするけど、組に所縁のある女を最近になって拒否したのには、違う理由がありそう。
 多分、クラウンを確実に誘き出すために、橋口の正体を暴くために、私みたいな関係外の人間が必要だったんじゃないかな。

 いざとなれば無関係な女のほうに手を伸ばせばいい、って三河組や綿谷組は考える。
 実際、銃を突きつけて脅す、ってなことをやってきたしね。
 そう考えるはずだ、って荒巻組長は思ったんじゃないかなぁ……。

 推測の域はもちろん出ない。

/ ,' 3「ま、美人に目がないのは昔からなんじゃよ。
    異性を好むのは、ごくごく普通のことじゃ。そう思うじゃろう?」

ξ゚⊿゚)ξ「え……?」

 何故かニヤけながら、私に言う荒巻組長。
 そして、最初は『何故か』と思ったけれど、すぐ理由に気づく。

 綿谷組の幹部に、私が銃を突きつけられてたとき……。
 あのときの光景を、最初から見てたのなら……。

ξ;゚⊿゚)ξ「あっ……」

 私が、まるで女子高生の頃に戻ったような幼い緊張を抱えながら電話してた姿も、見られてたってこと……?

/ ,' 3「ほほほ。大丈夫じゃよ。ツンさんは魅力的じゃからのう。
   誰を好いとるのかは知らんが、きっと実るじゃろう」

ξ ⊿ )ξ「…………」

 そう言ってくれるのは、ありがたいんだけど……。
 でも、荒巻組長が言うような簡単な話じゃないよ……。

 私は、自分で愚劣な選択だと分かっていて、掴めない恋に挑戦しちゃったんだもん……。
 どうしようもない悩みを抱え込んじゃったんだもん……。

/ ,' 3「ま、この世で理屈が通らんのは恋愛くらいのもんじゃ。
   ワシもツンさんの可憐さには理屈抜きで魅入られておってのう」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ……」

 頭の中が、『あの子』のことでいっぱいになる。
 それを見透かしたかのような荒巻組長の声も、上手く入ってこない。
 生返事になっちゃう。

/ ,' 3「初めて見たときから……こう、若いころのような情熱が湧きあがってきとるんじゃ」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ……」

/ ,' 3「だから、こーんなこともしたくなっちゃうんじゃよ。むほほほ」

 そう言って、荒巻組長は私に抱きついてきたけど、私の頭の中は相変わらずで……。
 私の胸を後ろから何度も触って揉んで撫でてきても、頭の中は……。

ξ゚⊿゚)ξ「……え?」

 待って、私いまなんて?
 私の、CとDを行ったり来たりする、スーツのジャケットに覆われた胸を――――



ξ///)ξ「きゃああああああああああああああ!!!」


その31へ




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/ ,' 3「さぁ、出ようか」

ξ゚⊿゚)ξ「はい」

 自宅から出てきて、弱々しく歩いていたときの面影は欠片もない。
 背筋を伸ばし、堂々とカウンターに行き、アメリカン・エキスプレスのセンチュリオン・カードを差し出した。
 通称、ブラックカード。実際見たのは初めてだけど、とっても怪しげな装丁……。

 でも、ブラックカードって凄く審査厳しいんじゃなかったっけ……?
 どうにかして審査を通り抜けたのかなぁ……それぐらいの権力があっても、おかしくはなさそうだけど……。
 あ、名義人の欄を見とけば良かったかも……。

 そんなどうでもいいことを考えている間に、清算は滞りなく終わっていた。

ξ゚⊿゚)ξ「朝、自宅から出てらしたときは、元気がなさそうに見えたのですけど」

/ ,' 3「ん?」

ξ゚⊿゚)ξ「元気がないフリだったんですね、あれも」

 カードをお財布に収めた荒巻組長は、私の言葉を受けて、何故かまた顔色を暗くした。
 あれ……私、なにかマズイこと言っちゃったのかな……?

/ ,' 3「……そこだけは、嘘じゃないんじゃよ」

ξ゚⊿゚)ξ「えっ……」

/ ,' 3「外で待っとる、あの二人ことじゃ」

 ギコさんとフサギコさんが直立不動で、こっちを見ている。
 さっき荒巻組長に一喝されたときの緊張が、まだ抜けてないみたいだった。

/ ,' 3「あの二人はいずれ組の中核となる存在じゃ。行動力があるし、頭も回る。
   でも、今ひとつ頼りにならんのじゃよ。あいつらが独り立ちしてくれれば、ワシは隠居できるんじゃが」

ξ゚⊿゚)ξ「思ったように成長してくれないのが、もどかしいということですか……?」

/ ,' 3「そのとおりじゃ。ツンさんは理解が早くて助かるのう。
   今回のワシの意図にも、あいつらには気付いてほしかったんじゃが……サッパリじゃったな」

 残念そうに目を伏せる荒巻組長。

 外の二人と、荒巻組長を、交互に見やった。
 そして、唇を開く。

 いつもの私なら、こんなとき、『そうですか……』の一言で済ませるけど――――

ξ゚⊿゚)ξ「――――でも、二人は二人で、凄く頑張ってましたよ?」

/ ,' 3「……ほう?」

ξ゚⊿゚)ξ「荒巻さんのこと、凄く心配してましたし……だから、女である私に依頼したんだと思いますし……。
     荒巻さんの意図に気づけなかったのは、もしかしたら、荒巻さんを心配してたからなのかな、って……。
     見抜けなかったのは確かですけど……でも、それはやっぱり、荒巻さんを思うが故かなぁと……」

 荒巻組長から、私の言葉に対する返しはなかった。
 表情さえ、無色に染まっていて……。

 でも何故か、さっきまでより目尻が垂れ下がっている気がした。

 二人で外に出たあとは、ホテルへと向かった。
 もちろん後ろには怖い方々がゾロゾロと……。
 私たちの真後ろには、ギコさんとフサギコさんが離れずにピタリとついてきていた。

/ ,' 3「ま、ワシがついた嘘については全て話した。他に何か得た情報があれば、それは真実じゃよ」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ、女の運転じゃないとクルマに乗らないというのも……?」

/ ,' 3「男の運転はキライじゃよ。最近までは、組に近しい女の運転で我慢しとったがのう。
    それも乱雑な運転に思えて嫌気が差しておった」

/ ,' 3「ツンさんの運転は良かったぞい。クラウンを振り切る姿も凛々しかったしのう」

ξ゚⊿゚)ξ「あのときは、無我夢中で……なんか、スイッチが入っちゃって……」

/ ,' 3「ともかく、ツンさんが来てくれて良かった。あいつらの目も悪くないのう」

 少しはぐらかされた気もするけど、組に所縁のある女を最近になって拒否したのには、違う理由がありそう。
 多分、クラウンを確実に誘き出すために、橋口の正体を暴くために、私みたいな関係外の人間が必要だったんじゃないかな。

 いざとなれば無関係な女のほうに手を伸ばせばいい、って三河組や綿谷組は考える。
 実際、銃を突きつけて脅す、ってなことをやってきたしね。
 そう考えるはずだ、って荒巻組長は思ったんじゃないかなぁ……。

 推測の域はもちろん出ない。

/ ,' 3「ま、美人に目がないのは昔からなんじゃよ。
    異性を好むのは、ごくごく普通のことじゃ。そう思うじゃろう?」

ξ゚⊿゚)ξ「え……?」

 何故かニヤけながら、私に言う荒巻組長。
 そして、最初は『何故か』と思ったけれど、すぐ理由に気づく。

 綿谷組の幹部に、私が銃を突きつけられてたとき……。
 あのときの光景を、最初から見てたのなら……。

ξ;゚⊿゚)ξ「あっ……」

 私が、まるで女子高生の頃に戻ったような幼い緊張を抱えながら電話してた姿も、見られてたってこと……?

/ ,' 3「ほほほ。大丈夫じゃよ。ツンさんは魅力的じゃからのう。
   誰を好いとるのかは知らんが、きっと実るじゃろう」

ξ ⊿ )ξ「…………」

 そう言ってくれるのは、ありがたいんだけど……。
 でも、荒巻組長が言うような簡単な話じゃないよ……。

 私は、自分で愚劣な選択だと分かっていて、掴めない恋に挑戦しちゃったんだもん……。
 どうしようもない悩みを抱え込んじゃったんだもん……。

/ ,' 3「ま、この世で理屈が通らんのは恋愛くらいのもんじゃ。
   ワシもツンさんの可憐さには理屈抜きで魅入られておってのう」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ……」

 頭の中が、『あの子』のことでいっぱいになる。
 それを見透かしたかのような荒巻組長の声も、上手く入ってこない。
 生返事になっちゃう。

/ ,' 3「初めて見たときから……こう、若いころのような情熱が湧きあがってきとるんじゃ」

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ……」

/ ,' 3「だから、こーんなこともしたくなっちゃうんじゃよ。むほほほ」

 そう言って、荒巻組長は私に抱きついてきたけど、私の頭の中は相変わらずで……。
 私の胸を後ろから何度も触って揉んで撫でてきても、頭の中は……。

ξ゚⊿゚)ξ「……え?」

 待って、私いまなんて?
 私の、CとDを行ったり来たりする、スーツのジャケットに覆われた胸を――――



ξ///)ξ「きゃああああああああああああああ!!!」


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【2008/05/12 21:49】 | 何でも屋
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名無しさん
ちょwwww荒巻wwwww


名無しさん
組長何やってんのwww


名無しさん
盛大に吹いたwww


名無しさん
すごく…嫉妬しました


名無しさん
へ、変態だー!

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ちょwwww荒巻wwwww
2008/05/12(Mon) 21:50 | URL  | 名無しさん #-[ 編集]
組長何やってんのwww
2008/05/12(Mon) 22:10 | URL  | 名無しさん #-[ 編集]
盛大に吹いたwww
2008/05/12(Mon) 23:34 | URL  | 名無しさん #-[ 編集]
すごく…嫉妬しました
2008/05/13(Tue) 07:50 | URL  | 名無しさん #gVrIp3A2[ 編集]
へ、変態だー!
2008/05/16(Fri) 18:48 | URL  | 名無しさん #-[ 編集]
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